「雄大な桜島を望めるロケーションで大きいフェスをやれたら最高ですね」
「いつの日か、必ず実現させましょう!」
鹿児島出身のトランペッター、タブゾンビとGSH実行委員のひとりが言葉を交わしたのが2006年11月の東京「恵比寿MILK」での出来事でした。
※恵比寿MILK:様々なカルチャーのイベントが開催されていた老舗のクラブ(2007年12月に閉店)
当時、九州各地からそれぞれの夢を持ち上京していた駆け出しのクリエイター達がSNSを通して出会い、デザイン、プランニング、ディレクションなど、それぞれの特技を持ち寄り情報発信力のある東京から故郷九州での大型フェスの開催を目指すというコンセプトで企画した音楽と焼酎を楽しむクラブイベント「NINES」がサツマニアンヘスのきっかけとなっています。
九州での大型フェス開催を目指し
2006年に東京で開催された音楽イベント「NINES」
その後「NINES」に関わったメンバーは鹿児島からJリーグクラブを誕生させることで、地域活性化を目指すFC鹿児島(後の鹿児島ユナイテッドFC)の支援活動などを通し、地元を盛り上げたいという同じビジョンを思い描く沢山の仲間と出会い試行錯誤は続き、鹿児島でのフェスの開催の夢を諦めず10年以上の歳月が流れ2017年を迎えていました。
「鹿児島で大型フェスを実現させよう」というプロジェクトが一気に動き出したのは、2017年12月のことでした。フェス開催を目指し、地元ラジオ局にて2016年3月にスタートしたタブゾンビと浜崎美保がMCを務める「SEA SIDE ZOMBIE」をきっかけに具体的となったプロジェクトは、様々なジャンルの協力者と共に2017年にGSH実行委員会として、サツマニアンヘスの実現を目指しスタートを切ることができたのです。
東京、福岡など、鹿児島県外のスタッフも参加して、マリンポート鹿児島など、いくつかの開催候補地をめぐり、最終的に桜島多目的広場・溶岩グラウンドを開催の地として選ぶことになりました。
初年度開催という経験不足と県を跨ぐプロジェクトであるため意思疎通の難しさから次から次へと様々な難問が出てきましたが、地元のみなさま、行政機関の方々など、多くの協力のもとプロジェクトは日々スピードを増して実現に向けて前進していったのです。
鹿児島は、九州本土最南端という地理的に不利な部分があることから、大型フェスの実現は難しいだろうとの声が多かったのも事実です。そのような中、開催の実現に向けて後押ししたのが2018年というタイミングでした。
日本が世界有数の大国に成長を遂げる一つの機会となったと言われる近代化改革「明治維新」は、西郷隆盛や大久保利通など多くの薩摩藩士が尽力しましたが、そんな「明治維新」から150周年となる2018年は、大河ドラマ「西郷どん」の放送も決定しているなど、鹿児島県は全国から注目を集めるであろうとの期待に満ちていました。
そのような時代の後押しと、開催場所である桜島のロケーションの素晴らしさが大型フェスの成功を予見させていたのです。
桜島フェリーで15分、錦江湾を渡る小旅行体験、前方には雄大な桜島を望めることができ、見渡せば広い海、会場に近づくにつれて高まる高揚感を自然の中で満喫できるヘス(フェス)は日本でも稀有な存在かもしれません。
さらに鹿児島の魅力のひとつに、生産者さんたちの努力により築き上げられた日本有数の食のクオリティがあります。日本一の黒毛和牛をはじめ黒豚、地鶏、鮮魚、全国でも有数の生産量を誇るお茶や焼酎、天然水など豊富な食材、また、鹿児島ならではの素材を活用した工芸品などのブースをヘス(フェス)会場に出店し鹿児島を感じて楽しんでいただける場づくりを目指しています。
アーティストのライブの素晴らしさが来場者の感情を揺さぶり、鹿児島の魅力に会場の熱量が添えられることで地域の魅力が人を介して、インターネットからさらに全国に広がっていくきっかけになることを目指しています。
先にも述べましたが「THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL」は、多くの地元の方々の協力によって実現しています。
例えば、会場や桜島フェリーの利用について、鹿児島市役所の担当部署、現場管理を委託されている事業者、告知ポスターを掲出いただいている地元飲食店、個人、団体のみなさま、SNSを活用した観光PRの共同企画にご協力をいただいた鹿児島県庁、地元インフルエンサーのみなさま、開催当日の運営ボランティアにご協力いただいている専門学校、学生ボランティア、地元のカメラマンで結成されたカメラマンクルー、そして「THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL」の実現前から鹿児島の音楽シーンを盛り上げ、イベント等を企画運営されているみなさま、地元の活性化に繋がる支援になればと、ご協賛いただいている企業など、本当に多くの方々からの応援に心から感謝しています。
さらには、ボランティアで運営に参加したことをきっかけに、新たに進むべき進路を選択したという学生、ブース出店をきっかけに地元の素材を活用して新しい商品開発にチャレンジしたという伝統工芸品の事業者、鹿児島県外へのフェスにも足を運ぶようになったという方など、様々な声が届くたびに「THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL」での出会いをきっかけに、鹿児島から県外に向けて文化を発信していく価値を感じると共に、地域に関わるみなさまとの接点が少しずつ増えることで、地域のにぎわい創出が持続し地域全体にポジティブなコミュニティが広がっていくと考えています。
コロナ禍の影響により、予想を超えた様々な出来事が起こりましたが、日置市、オリバーランドの皆さんの多大なるご支援のもと、共催というかたちでオリバニアン2023として奇跡的に開催することができました。
会場となった⽇置市 東市来総合運動公園には、4年ぶりの開催を待ち望むオーディエンス、そして、同じく4年間、開催を諦めることのなかったスタッフのポジティブな気持ちが溢れ、その想いに応えるかのようなアーティストの素晴らしいパフォーマンスで多幸感溢れる開催となりました。
そして、2024年、私たちは、桜島に帰ります。
これまでの想いと経験を力に、進化したヘスを創り上げます。
これからも試行錯誤しながらも、「THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL」は、一人でも多くの方に楽しみにお待ちいただける催し物になれるよう、絶えず前向きに取り組んで参ります。
音楽を愛する皆様、鹿児島を愛する皆様、桜島でお会いしましょう!
2018年に初開催したTHE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL。あれから6年、初回開催は手探り状態から始まり、課題はたくさんありましたが、多くの方にご来場いただきました。
2019年2回目の開催では、1年目よりも多くの方に認知していただき、3回目の開催となる2020年は、過去2回開催の学びと反省を活かしつつ、「ホップ、ステップ、ジャンプ!」であるはずでしたが、2020年からコロナ禍に突入。いきなり途絶えた真っ暗闇の道を手探りで進みながらも、果敢に開催を試みましたが、叶いませんでした。
何度も心折れそうになった3年間。それでも、ヘスを応援してくださる方々の声に救われてきました。
やっと開催できた第3回目は、暗闇の中の一筋の光が差し、たどり着いたのが日置市でした。共同開催していただいたOLIVER LANDのみなさん、場所が変わっても賛同し来てくださったオーディエンスのみなさん、協力してくれた地域のみなさん、企業、行政、自治体、飲食店、鹿児島ユナイテッドFC、鹿児島レブナイズ、そして出演してくださったアーティストのみなさん、多くに関わってくださった皆さん、本当に感謝しかありません。2023年は特別編「オリバニアン」として開催できました。
そして今年2024年、ヘスが桜島に戻ってきます。発表が遅くなってしまい、申し訳ございません。
桜島開催でなくなって離れていった人もいれば、日置開催でヘスを知った人もいるでしょう。桜島の楽しい思い出と、日置の楽しい思い出、両方あるのではないでしょうか?
今年はどんなヘスになるのか?あえて言うなら、それらの楽しさがミックスされたのが今年のヘスなのだと思います。
来ませんか?来てくれませんか?
桜島フェリーに乗って、見上げる大きな桜島の麓にふたたび皆で集まりませんか?
はじめましての方も、生粋のサツマニアンマニアも、乾杯しましょうよ。
揺らしましょうよ、腰を。おどろーよ、みんなで。
GSH実行委員会ミュージシャン有志 タブゾンビ (SOIL&"PIMP"SESSIONS)
鹿児島県出身。ライブ・パフォーマンスを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気をただよわせながらも、ラフでエンターテイメント、バースト寸前の”爆音ジャズ”を展開する、SOIL&"PIMP"SESSIONSのトランペット担当。国内はもとより海外でも人気を博し、イギリスの世界最大級のフェスティバルである”グラストンベリー”や、スイスの“モントルー・ジャズ・フェスティバル”、オランダの”ノース・シー・ジャズ・フェスティバル”などの大規模ジャズ・フェスなど、これまでに世界31カ国、100公演を超える海外公演を行ってきた。
また、SOILでの活動の傍ら、加山雄三率いるTHE King ALL STARSのメンバーでもあり、様々なアーティストのレコーディングにも参加している。
さらに2018年から地元鹿児島にて開催されている音楽フェス「THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL」の発起人でもある。